【上御霊神社】御霊祭(還幸祭/渡御之儀) |
「御霊祭(ごりょうまつり)」の「還幸祭」では剣鉾、御車(牛車)、八乙女、稚児行列、武者行列、そして3基の神輿など総勢600人以上の渡御行列が氏子地域を巡ります。
各所で行われる「神輿振り」は必見です。
「還幸祭」の「渡御之儀(とぎょのぎ)」は、不慮の死に遭った方の祟りを防ぐ為、御霊(ごりょう)を祀って鎮魂する「御霊会」の最古を今に伝える儀礼と云われています。
■境内はお祭りムード一色 |
期間中の境内はお祭りムード一色で大変な賑わいとなっています。
■御霊祭の主役・3基の神輿 |
御霊祭の主役である3基の神輿は「舞殿」に安置されています。
煌びやかな神輿3基が揃った姿は豪華絢爛の一言です。
3基の神輿はそれぞれ以下の通りです。
南之御座 | 小山郷神輿会奉舁 | 安土桃山時代の文禄四年(一五九五)に後陽成天皇(ごほうれんてんのう)から賜った御鳳輦を御神輿としたものです。御鳳輦とは、天皇さまがお乗りになられる輿のことで、屋根の頂上に鳳凰がついていることからこのように呼ばれます。 小山郷神輿会の皆様によりご奉仕いただいております。「ホイト、ホイト」の掛け声に合わせて担がれます。 |
中之御座 | 末廣神輿会奉舁 | 明治十二年(一八七九)、元貴松社より当社に寄いりもやづくり進された御神輿です。入母屋造の屋根に千木を飾り、朱色のお絹を纏った姿が美しい御神輿です。 末廣神輿会の皆様によりご奉仕いただいております。「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ」という唯一無二の掛け声に合わせて担がれます。また、神社帰着後、轅を外した御神輿に綱をかけて、二十二名の担ぎ手により行われる拝殿上げは非常に勇壮で迫力があります。 |
北之御座 | 今出川口京極神輿会奉舁 | 江戸時代初期の元和五年(一六一九)、後水尾天皇より、父君にあたられます先帝後陽成天皇がお使いになられていた御鳳輦を賜り、御神輿としたものです。当社南之御座と二代続いての天皇さまからの御下賜であります。 今出川口京極神輿会の皆様によりご奉仕いただいております。「ホイト、ホイト」の掛け声に合わせて担がれます。 |
■氏子衆が上御霊神社に到着(11:00頃~) |
11:00頃になると氏子の皆さんが続々と上御霊神社にやってきます。
まず「小山郷神輿会」の氏子の皆さんがやってきます。
氏子の皆さんは上御霊神社に到着すると真っ先に本殿にお参りに行きます。
次に到着したのは今出川口京極神輿会の氏子の皆さんです。
今出川口京極神輿会の皆さんも上御霊神社に到着すると、真っ先に本殿にお参りをされます。
末廣神輿会の皆さんも到着し、全地域の氏子衆が揃いました。
3地域の氏子衆が集結すると境内は大賑わいになります。
皆さんも本当に楽しそうで、お祭りを楽しんでおられる様子でした。
■可愛い稚児もおめかし姿を披露 |
祭に参列するお稚児さんもおめかししていました。
可愛い笑顔でとても楽しそうです。
きっと祭の次の世代を担ってくれるでしょう。
■祭礼(11:30頃~) |
11:30になると神輿を安置している舞殿の東側で祭礼を行います。
祭礼は進行役と氏子の代表者、そして来賓客だけで行われます。
■神輿の出発(12:00頃~) |
12:00になると3基の神輿が舞殿から出発します。
まず「南之御座:小山郷神輿会」の神輿が出発します。
次に「中之御座:末廣神輿会」の神輿が出発します。
最後に「北之御座:今出川口京極神輿会」の神輿が出発します。
■行列の準備 |
神社の南の通りでは、12:00頃から行列の準備が始まります。
渡御行列の皆さんが列を整えたり、巡幸の無事を祈ってお祓いを受けたりしていました。
特に目を引くのが御車(牛車)です。
「御霊祭(上御霊神社)」の御車はとても貴重で、江戸時代初期、後陽成天皇より御寄進いただいたものだそうです。
近年になって新たに造られた御車はあるものの、当時の御車の現存例はとても少なく、「御霊祭(上御霊神社)」以外では京都三大祭の葵祭で使用される二輛以外に見当たらないとのことです。
その歴史的価値は非常に高く、平成14年には中世交通史を研究されている天皇陛下(当時は皇太子殿下)がご視察し、ご調査をされたそうです。
御霊祭では猿田彦大神を御車にお祀りし、神輿の先導を務めていただきます。
12:30を過ぎると準備も慌ただしくなります。
剣鉾も整えられ、華やかさが一気に増します。
楽隊の皆さんも慌ただしく列に並びます。
巡行が始まる直前には上御霊神社の境内は出番を待つ神輿や氏子の皆さんの緊張もピークに達します。そして南側の通りでも行列の準備が最高潮を迎えています。
■神輿の登場 |
13:00になると、いよいよ3基の神輿が出発します。
まず「南之御座:小山郷神輿会」の神輿が出発します。
次に「北之御座:今出川口京極神輿会」の神輿が出発します。
そして「中之御座:末廣神輿会」の神輿も出発し、「渡御之儀(とぎょのぎ)」が開始されます。
■「渡御之儀(とぎょのぎ)」 |
氏子地域を剣鉾、御車(牛車)、八乙女、稚児行列、武者行列、そして3基の神輿と、総勢600人以上の大行列が巡行します。
大通りだけではなく生活道路も巡行するので大混雑となりますが、祭の熱気を間近に感じることができます。
大通りに出ると沿道には大勢の見物客が集まります。
そうした大勢の見物客に見送られ行列は大通りを進みます。
獅子舞も沿道の子供たちにご挨拶。
中には泣き出してしまう子供もいましたが、それもまた獅子舞の醍醐味と皆さん笑納されていました。
楽隊の皆さんが過ぎると、いよいよ神輿の登場です。
交差点に到着すると「神輿振り」が行われます。
ここでの「神輿振り」を終えると次の「神輿振り」の場所まで移動します。
こうして一日掛で氏子地域を回り、神輿は夜の20時頃に上御霊神社に戻ります。
■基本情報
【御霊祭(還幸祭/渡御之儀)】
◇日時
・2024年05月18日(土)11:00~20:00頃
◇場所
・上御霊神社(御霊神社)
◇拝観料
・無料
【上御霊神社(御霊神社)】
◇参拝時間
・09:00~17:00
◇拝観料
・無料
■アクセス
【上御霊神社(御霊神社)】
◇所在地
〒602-0896
京都市上京区上御霊前通烏丸東入上御霊竪町495番地
TEL:075-441-2260/FAX:075-441-6066
◇電車
・京都地下鉄:鞍馬口駅より 徒歩3分
◇バス
・京都市バス:出雲路俵町より 徒歩7分
◇駐車場
・20台(無料)