【松尾大社】御田祭

松尾大社の「御田祭(おんださい)」は五穀豊穣を願う田植え祭の姿を今に伝える神事で、三人の「植女(うえめ)」が壮夫の肩に乗り、境内を三周した後「神饌田(しんせんでん)」で「虫除行事」を行います。
600年以上の歴史があり「京都市無形民俗文化財」にも指定されている大変由緒ある神事です。

「蔬菜(そさい)」の奉納

「御田祭(おんださい)」当日、拝殿には氏子より奉納された「蔬菜(そさい)」が並びます。

「蔬菜(そさい)」とは現在では慣用的に「野菜」と同義となっていますが、本来は「栽培された作物」全般を意味する言葉で、野菜の他にお米などの穀物も「蔬菜」に含まれます。
「御田祭」ではお米も奉納されるので「野菜」ではなく「蔬菜(そさい)」と表記しているのです。

ご祈祷所を出発(10:00前)

10:00前になると、10:00から開始する本殿での神事に参進する為、三人の「植女(うえめ)」や関係者が「ご祈祷所(庭園拝観受付)」から出て境内に整列します。

本殿に向かう前に、祭りの開始のご報告と、祝詞(のりと)の奏上を行います。

お祓いとお清めを行うと、いよいよ本殿に向かって参進します。

本殿で五穀豊穣を祈る(10:00~)

10:00になると本殿で神事が執り行われ五穀豊穣を祈る神事が行われます。

本殿の神事では「植女(うえめ)」が宮司より早苗を授かります。
この早苗を持ってこの後、境内を三周して「神饌田(しんせんでん)」に向かい、「虫除行事」を行います。

拝殿回り

本殿での神事が終わると斎庭に出て「拝殿回り」が行われます。

早苗を授けられた植女は壮夫の肩に乗り、早苗を両手に捧げ持って拝殿回りを三周行います。

植女は氏子地域から選ばれた三人の童女が担います。

植女の姿は記録には「紗(さら)を張った「かいばり(うちかけ)」を羽織り、金銀の花笠と紅白ちりめんのたすきを掛け、葵の形の白粉をつけて髪に垂らし、花櫛を挿しつつ元結を水引で結んでいた」とされていたそうです。

現在でも植女は「花笠」「紅白ちりめんのたすきを掛け」に薄うぐいす色の「かいばり」姿で、とても色鮮やかです。

神饌田で虫除行事

「拝殿回り」が終わると「神饌田(しんせんでん)」で「虫除行事」を行います。

「虫除行事」では、まず「植女(うえめ)」が授かった早苗を「神饌田(しんせんでん)」に供します。

四隅に早苗を植え、さらに四隅を棒や竹で叩き、虫が寄らぬよう祓い清めます。

昔は実際にこの時に田植えが行われていたそうですが、現在は予祝行事の様式となって執り行われています。

また、早苗は「拝殿周り」をした後、植女が人々に撒き与えていたそうです。
人々はこれを競って取り合うと田に持ち帰り、ありがたい「虫除け」にしたそうです。

記念撮影

「虫除行事」が終わると楼門前に移動して記念撮影を行います。

基本情報

【御田祭】
 ◇日時
  ・2024年7月21日(日)10:00~11:30頃
 ◇場所
  ・松尾大社
 ◇2025年の開催予定
  ・2025年07月20日(日)※予定

【松尾大社】
 ◇拝観時間
  ・09:00~16:00(平日・土曜)
  ・09:00~16:30(日曜・祝日)
 ◇拝観料
  ・境内拝観 無料
  ・庭園/神像館共通
   大人500円 学生400円 子供300円

アクセス

【松尾大社】

 ◇所在地
  〒616-0024
  京都市西京区嵐山宮町3
  TEL:075-871-5016
 ◇電車
  ・阪急電車:松尾大社より 下車すぐ
 ◇バス
  ・京都市バス:松尾大社前より 下車すぐ
 ◇駐車場
  ・あり

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