【下御霊神社】前夕神事(宮中御神楽奉奏)

下御霊神社の「前夕神事(ぜんゆうしんじ)」は、下御霊神社の例祭の前日の晩に歌舞を奉奏する神事です。
下御霊神社では「いちひめ雅楽会」による神楽の原点とも云われる「宮中御神楽(きゅうちゅうみかぐら)」が奉奏されます。

例祭前日の下御霊神社

「例祭」は各神社で行われる祭祀で最も重要な祭典です。
例祭前の下御霊神社もちょっとそわそわした雰囲気になります。

前夕神事(宮中御神楽奉奏)

「前夕神事(ぜんゆうしんじ)」は例祭の前日に行われる神事で、以下のような祭祀が執り行われます。

  開扉(起立・低頭)
  献饌
  祝詞奏上(起立・低頭)
  宮中御神楽奉奏(いちひめ雅楽会)
  撤饌
  閉扉(起立・低頭)

19:00ちょっと前になると神職と「いちひめ雅楽会」の皆さまが拝殿に整列します。

拝殿に参進すると、神事が厳かに執り行われます。

本殿で「開扉」「献饌(けんせん)」「祝詞奏上(のりとそうじょう)」が行われた後、「人長(にんじょう・にんちょう)」が本殿に進み「採物の榊(とりもののさかき)」を授かります。

人長は、かつては「榊・幣・杖・篠・弓・剣・鉾・杓・葛」を授かり、それらを憑代(よりしろ)に神霊をお迎えして舞楽を奉奏しました。

現在は榊だけで舞楽を奉奏されます。
因みにこの榊には「木の輪」がつけられていますが、これは鏡を意味しているとのことです。

榊を授かった人長は「拝殿(神楽舎)」に上がり「なりたかし」と4回唱えます。
すると「庭燎(にわび)」が灯され人長が指示を出す「人長式」が始まります。

「人長式」では、まず「笛」「篳篥(ちりひき)」「和琴(わごん)」が「神楽音取(かぐらねとり)」「庭燎の曲(にわびのきょく)」「縒合の曲(よりあいのきょく)」を奉奏します。

次に歌人が召され「深山(みやま)には、あられ降るらし外山(とやま)なる真拆(まさき)のかづら色づきにけり」という「庭燎の歌(にわびのうた)」の上の句を歌います。

奉奏が終わった楽人は人長の指示で「本方」「末方」の座に着きます。
これは「才試み(ざえこころみ)」と言って、楽人の演奏が合格したことを意味するそうです。

その後も舞楽の奉奏は続き、「久止段(くしだん)拍子」から、「阿知女(あちめ)作法」に移ります。
「阿知女(あちめ)作法」は、二人の「笏拍子(しゃくびょうし)」に合わせて『阿知女 於於於於(あちめ をををを)』『於介(おけ)』と唱えます。
この意味は平安時代からすでに不明となっていますが、神迎えの呪法であると考えられているそうです。

前夕神事の宮中御神楽奉奏は、夜を徹して行われますが、榊以外の採物は省略されているので、「三度拍子」に続いて本来は夜明けに行われる「問籍(もんじゃく)」が奉奏されます。
そして奉奏最後の「早韓神(はやからかみ)」に移ります。

「早韓神(はやからかみ)」は「天岩戸開きの故事」をあらわすものとされ、人長は袍の右肩を脱ぎ「三島木綿(みしまゆふ)肩にとりかけ、われ韓神のからをぎせむやからをぎ」という「閑韓神(しづからかみ)」を舞います。

「早韓神(はやからかみ)」が終わると人長は神楽人を率いて「拝殿(神楽舎)」を廻る「宮廻り」を行います。

「宮廻り」が終わると人長は神前に榊をお返しして神事が終了します。

最後に「いちひめ雅楽会」の皆さんで記念撮影が行われました。

基本情報

【前夕神事(宮中御神楽奉奏)】
 ◇日時
  ・2024年08月17日(土)19:00~20:30
 ◇場所
  ・下御霊神社
 ◇拝観料
  ・無料
 ◇2025年の開催日時
  ・2025年08月17日(日)※予定

【下御霊神社】
 ◇参拝時間
  ・06:00~19:30
  ※授与所・御朱印は09:00~17:00
 ◇拝観料
  ・無料
 ◇定休日
  ・なし

アクセス

 【下御霊神社】

 ◇所在地
  〒604-0995
  京都府京都市中京区寺町通丸太町下る
  TEL:075-231-3530
 ◇電車
  ・京都地下鉄:丸太町駅より 徒歩11分
  ・京阪:神宮丸太町駅より 徒歩6分
 ◇バス
  ・京都市バス:河原町丸太町より 下車すぐ
 ◇駐車場
  ・なし

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